今年,初めに紹介させて頂きます展示場は,マップ番号8番の塚本さんのお宅です。塚本さんのお宅は,初回から展示をしていただいていますが,最初の年は,2枚目以降の写真のお雛様と,吾妻さんのお雛様を展示しました。
昨年からは,奥さんの幸子さんのひな人形を展示しています。

 「このお雛様は,2組あるようですが,なぜですか」
 「向かって右のお雛様は姉のお雛様で,左が私のお雛様なんです。昭和36年にこの家に嫁いでくるまで,毎年実家で飾っていたんです。」
「そうですか。並べて飾っているところを見ますと仲が良かったのですね。」
「実は,私の生まれたのが昭和12年の2月で,最初の節句に間に合うように,すぐに父が買ってくれた物なんですが,姉は,その年の6月に亡くなっているんです。ですから,姉の顔は写真でしか見たことが無いんですよ。」

「・・・・。(拙いことを聞いてしまったと後悔。)そうですか。」
「右のお雛様と雛道具は姉の物で,顔も知らない姉の唯一の形見なんです。」

ここまで聞いてから,拙いことを聞いてしまったなと反省する傍ら,主人の和二郎さんはちょっと涙ぐんでいました。そんな雰囲気を察していただいたようで,幸子さんはずっと笑顔で答えていただけました。

 

「こちらの古いお雛様は,あることを知っていたのですか。」
「お雛様があるという話は聞いていましたが,主人も一回も見たことがないと言ってました。一昨年のひな祭りを始まるとき,蔵の中を探したら出てきたんです。痛んでいる物もあるので,展示しているのは半分くらいです。」

ここまで聞いたところで,呼び出しがあり帰ることになりましたが,お雛様を飾る思いを聞かせていただいて,これが本当に私たちが伝えたい気持ちなのではないかと思いました。

 
蔵の街 真壁のひなまつりは,雛人形を飾る思いを話すことをきっかけに,来る人との交流を楽しむというのが,目的です。
そんな基本を再認識した訪問でした。