第四話 大市

 ひままつり期間中最後の週末で,明日は天気が悪くなるという予報があったためか,2月25日は多くの人で賑わっていました。
 年輩の人に「昔の神武様みたいだ。」と言われましたが,私が子どもの頃の神武祭はたくさんの人出があった記憶があります。
 さらには,「大市の時のようだ。」という話を聞きましたが,私には大市の記憶がありません。
 資料館の職員の方には,明治期には市が多く開かれていたという話を聞いたことがありましたが,「大市の時のようだ。」・・・いつの時の事だったのでしょうか?
 展示されているひな人形の多くは,このひなまつりが開催されるまで,蔵の奥にずっとしまわれていたものばかりです。
 古いお雛様だと,明治30年頃の新聞にくるまっていたという話を聞きましたが,100年ぶりに見た真壁の様子はどうだったか聞いてみたくなります。
 ひょっとして「街並みは少し変わったけど,人の流れは当時のままだよ。」なんていう答えが返ってきそうな予感です。
 その時の返事に,「住んでいる人たちも,あの頃と同じ心根だね。」と言ってもらえたら,展示している人たちは皆さん喜ぶだろうなと思いながら,高上町通りを西に向かうと,真壁高校の生徒さんが作った作品が目に止まりました。
 高校生も来てくれる人たちに喜んでもらおうという同じ気持ちで作ってくれたんだろうと思います。
 真壁高校の生徒さんは,昨年の夏から町中にフラワーポットを置き,ずっと花を植え続けてくれています。
 ひなまつりの前日,男二人で飾り付けしたひな人形は,旧真壁郵便局の裏で,いろいろな人がいろいろな形で参加してくれるこのひなまつりを,誇らしげに見ているようでした。