第六話 嬉しい贈り物 その2

 2月29日,嬉しい知らせが届きました。桜川市が社団法人日本観光協会の第15回「優秀観光地づくり賞」の金賞を受賞したという知らせでした。
 授賞理由の文章を読むと,明らかに桜川市の真壁地区を指していることがわかります。地域の住民のみなさん全員の力で受賞したような理由になっているのが素晴らしいです。
 常々私たちは、この地区を「観光地」にするという考えもありませんし,この地に来ていただいた皆さんを「観光客」と呼んでおりません。
 それは,この地を来ていただいた方との交流の地としたいという思いがあるからです。ただ見るだけの場所ではなく、来訪者と地域の皆さんが歓んで交流できる土地にしたい、「歓交地」にしたいと考えています。
 そのような気持が思いがけない賞の受賞となったようです。

●受賞理由

受 賞 団 体

高く評価されたポイント

優秀観光地づくり賞金賞国土交通大臣賞

下呂温泉旅館協同組合(岐阜県)

徹底した温泉の共同管理や、農業とタイアップし旅館で地元食材を提供するなど、古くからの観光地であるにも関わらず、現在も他の温泉地のモデルとなるような地域一体の観光地づくりを行っている。宿泊客数も増加していることから、将来性という観点からも評価でき、「健康」に視点を当て、「滝めぐり」と「温泉」を組み合わせたツアーを企画するなど、滞在型へ向けた様々な取組を行っている点が評価された。

優秀観光地づくり賞金賞総務大臣賞】

桜川市(茨城県)

全国の観光地づくりを参考にしながらも、地場産業である石材を生かして、石灯籠を灯す「まかべ夜祭」を行うなど、地域にあった観光地づくりを行っている。また、「真壁のひなまつり」等、まちを思う市民による主体的な取組をうけ、街並みに配慮した駐車場やトイレの設置、電線の地中化計画の推進等、「市民のまちづくり活動を行政が支える」よいお手本になっていることが評価された。市民・行政のまちづくりに対する熱意が感じられ、今後も広がりが期待できる。

【優秀観光地づくり賞(社)日本観光協会会長賞】

村上町屋商人会(新潟県)

「人形さま巡り」「屏風まつり」など、市民主体の観光地づくりが行われているが、イベント時には地域住民、特にお年寄りが観光客との交流を楽しんでおり、地域の活性化につながっている。また、シャトルバスの運行・ツアーの企画など隣の瀬波温泉との連携がとれている点も評価された。

【優秀観光地づくり賞(社)日本観光協会会長賞】

郡上八幡観光協会(岐阜県)

郡上おどり、水を核とした既存の地域づくりだけでなく、次の魅力として「食べ歩き」等の新しい取組を行っている点が評価された。家並みの景観規制や用水の管理も、住民が自主的に行っており地域ぐるみの観光地づくりが行われている。

【優秀観光地づくり賞(社)日本観光協会会長賞】

たつの市(兵庫県)

龍野市の城下町らしい町並みを大切に、綾部山梅林や室津地区の町並み等の合併後の新たな資源とつなげ、「たつの市」の魅力向上に努めており、「素麺揖保乃糸」「醤油」「皮革」の地場産業についてもPRし、特に「皮革」については地元学生による皮革ファッションショー実施など積極的な取組が評価された。

表彰された真壁地区のプレリリース

 関東の名峰筑波山の麓にある桜川市真壁町は古くから城下町として栄え、旧市街地には江戸時代の町割りの中に、土蔵、見世蔵、門など数多くの歴史的建造物が残っている。
 歴史と石の町として栄えてきた真壁町だが、バブル景気の崩壊とともに、地域の活力源である石材業も衰退し、町は活力を失い、住民たちは誇りまで失った。
 このような中、町民の有志によって立ち上がったまちづくり団体『ディスカバーまかべ』が、蔵のコンサートや街並みフォトコンテストを、仲町商店会が「花いっぱい運動」や空蔵を活用した仲町休憩所をオープンさせるなど、町をよくしていこうとする住民たちによって真壁再興が始まることとなる。
 平成8年に創立された登録文化財制度にも積極的に取組み、平成17年には登録件数が104棟となり全国三位を誇っている。登録文化財を見に来る観光客が増えたことで、住民の意識も変化し、平成13年には案内ボランティアが誕生、真壁菓子商による各店自慢の一品紹介マップの作成、酒屋の石蔵を活用した染色工房サロンなど次々と新しい試みが出てくるようになった。  さらに平成15年、町民の有志によって始まった「蔵の街真壁のひなまつり」には、平成19年、10万人を超える観光客が訪れた。
 来訪者だけでなく地域住民が楽しんだ「ひなまつり」によって町民は誇りを取り戻し、今では、「自分たちの手でできることから」を合言葉に、様々な取組を自主的に行っている。
 桜川市では、増加した来訪者をあたたかく迎えるため、歴史的街並みに配慮した駐車場や公衆トイレを整備、また「伝統的建造物群保存地区保存条例を制定するなど、点から面への本格的な保存事業に取組始めた。